行きずりの街

行きずりの街 (新潮文庫)
行きずりの街/志水辰夫 読了。


この読後感不思議なんだけど、よいって感じ。
ほんわかとも泣けるともなんとなしに違うけど、よかったと。
自分の胸に刺さったままのとげが突き動かし続けているのかな、と。
ただ、その人の正義感とか義務感だけでは人間はそこまで意志を貫けないのでは
ないかと、そんなことを思いながらページを進める。
12年の月日が主人公と別れた妻には必要な大切な時間だったのだろうな。
解説に夫婦小説の名作と書かれているが、その印象である。
ミステリーでありながら恋愛小説、だけどその恋愛は夫婦のものである、と。